二軍調整中で来季の去就が注目されている中日・松坂大輔投手(39)が今季限りでの退団を決断したのではないかとの“怪情報”がチーム内で広がっている。これまで来季も中日での現役続行を希望しているはずの松坂だが、どうしてそんな声が漏れてきたのか。真相を探ってみると、ある騒動が関係していたことが判明。その顛末とは――。

 去就問題に揺れる松坂の来季契約に関して、あくまで球団は現時点での白紙を強調。近日中にも松坂と与田監督が面談するとの情報が浮上する中、チーム内で松坂が退団するのではないかとの声が錯綜している。

 その怪情報を追跡すると、松坂の荷造り騒動が関係していた。今季の松坂は2月の沖縄春季キャンプ中にファンと接触して右肩炎症を起こしたため、キャンプ中盤に名古屋に戻った。その際、ナゴヤ球場に隣接する合宿所「昇竜館」の1階奥にあるミーティングルームを館長らの許可を得てロッカー代わりにしてリハビリに励んできた。

 松坂は名古屋市内に自宅があるが、このミーティングルームを松坂部屋として使用してきた。約20~30畳ほどもあるこの部屋には松坂所有のグラブ、バット、スニーカー、サプリメントなど多数のグッズが所狭しと並べられていた。

 チーム関係者は「グラブだけでも40個ぐらいはズラリと置かれていたし、スーパースターの持ち物は桁違いですごいなと思った。まるで松坂記念館のようになっていた。CMに出ていたお茶もスポンサーから合宿所にどんどん届いて箱が山積みになっていた」とあまりの所持品の多さに度肝を抜かれたという。ところが、しばらくするとこれらの松坂グッズが部屋からこつぜんと消えた。

 合宿所に寝泊まりするある若手選手は「最近、松坂さんを寮内で全然見かけなくなった。何かあったんですかね」と心配すれば、別の選手も「松坂さんが寮から荷物をまとめて出て行ったらしいと聞きました。まさかこのまま中日を出ていってしまうのでは…」との声まで出ている。

 松坂は本当に中日を退団する決断をしたのか。この騒動の顛末を探ると、実は球宴前に松坂は荷造りをして、合宿所から屋内練習場2階にあるロッカーへ引っ越していたことが判明。合宿所の荷物を引き払ったことは去就とはなんら関係がなかったのだが、別の関係者は「松坂に寮のミーティングルームから出ていってもらって、そもそも特別扱いしなくなったことで、球団がどう考えているか分かるでしょ」と指摘する。

 8月下旬に痛めた右ヒジの回復が遅れており、いまだにブルペン投球もできず、実戦登板のめどは立っていない。これまで松坂は「ドラゴンズでやれるのがベストですね」と残留を希望しているが、登板機会のないまま今季を終える可能性が高くなっている。

 それでもチーム内でこんな退団騒動が持ち上がるほど、竜ナインは松坂の今後を気にかけている。