阪神は13日の中日戦(ナゴヤドーム)に7—1で大勝した。

 逆転でのCS進出へ向け、剣が峰に立たされた虎を救ったのは先発マウンドを任された西勇輝投手(28)だ。中日打線を7回1失点の快投でねじ伏せ、8勝目をマーク。許した四死球はわずか1と身上の制球力が冴えわたった。「今は自身の結果よりもチームの勝利が最優先。無事に勝つことができて良かった」。6回には二死二塁から右翼線への適時二塁打を放つなどバットでも勝利に貢献し「当たりも良かったし前進守備でしたので、越えてくれと思いながら一塁へ走りました」と胸を張った。

 出身地の三重・菰野町が水害に見舞われたこともあり「少しでも勇気を与えられたかなと思う」と故郷を気遣うことを忘れなかった西を、矢野監督も「テンポも良かった。西らしく粘り強く投げてくれた。チームにとって大きなピッチングだった」と称賛。3位・広島が巨人に敗れたためゲーム差は再び3・5にまで縮まった。苦しい秋の戦いが続く矢野阪神だが、刀はまだ折れていない。矢もまだ尽きていない。