阪神が8日の広島戦(マツダ)を2―3で落とし、3位・広島とのゲーム差は3・5に広がった。2点を追う5回に代打・上本を打席に送り、その裏に元守護神・ドリスを投入するなど総力戦を挑んだが、そのドリスが失った1点が重くのしかかり敗戦。矢野監督は「どんな形であれ、勝ちたい試合だった。一番勝てる方法を探したらそういう形になった」と苦渋の表情を浮かべた。

“ソラーテショック”の払拭とはいかなかった。このカード初戦となる6日の試合前には二軍から合流したヤンハービス・ソラーテ内野手(32)が「モチベーションが上がらない」とまさかの理由で大阪へ“とんぼ返り”。12日に先発予定のガルシアを登録するまでの“期間限定昇格”だったことに不満を募らせての造反劇だったが、職場放棄の助っ人の態度に球団側も激怒。「こんなん許したらチームが成り立たない。阪神のユニホームはない」(谷本球団本部長)と即刻解雇の流れとなった。

 前代未聞のソラーテ騒動に当初はチーム内にも動揺が走ったが、3位滑り込みをかけた大事な戦いの最中だけにナインは切り替えに集中。「戦う意思のない選手のことで振り回されるわけにはいかない」(チーム関係者)とばかりに練習中の選手たちが口々に「暑くてちょっと(モチベーションが)上がらないわ…」と禁句ともいえるソラーテの衝撃フレーズを発して周囲を笑わせるなど、今回の事件をあえてギャグにすることで重くなりかけた雰囲気を打破することに努めたのだった。

 しかし、そうした必死の切り替え作戦も実らずに正念場の3連戦を痛恨の負け越し。逆転CSが厳しい状況となった阪神だが、挽回する術はあるのか…。