巨人は3日の中日戦(新潟)に3―4で敗れて3連敗。終盤の追い上げも及ばず、マジック再点灯はならなかった。2位・DeNAとは3・5ゲーム差。リーグ優勝には最も近くはあるが、勝負の9月に入って原辰徳監督(61)にも変化が…。この日は、3回途中で先発バッテリーを事実上の懲罰交代。いよいよ“追い込みモード”に突入した。

 最後はG党のため息が新潟の夜空を包み込んだ。最終回に1―4から1点差まで詰め寄り、なおも二死二塁のチャンスで亀井の打球は二ゴロとなってゲームセット。原監督は「今日は代打陣が良かったね。後(あと)軍で勝負だったら、勝っていたね」と、控え選手同士の対戦(?)だったら…との独特な言い回しで悔しさをにじませた。

 攻撃陣よりも指揮官がやり玉に挙げたのは、先発したメルセデスだ。かねて「代え時が難しい投手」と頭を抱えていたが、この日は“Gキラー”と化している福田に初回から先制2ランを浴びるなど、3回二死までで見切りをつけた。二軍再調整を決め「一番マークしているバッター(福田)にファーストストライクをホームランを打たれているようじゃね。注意しているとは到底思えないね」とバッサリだった。

 ただ、この日は投手交代だけにとどまらなかった。イニング途中であっても、先発マスクをかぶった大城も同時にベンチに下げたのだ。

 確かに、3回裏の攻撃でメルセデスに打順が回る兼ね合いもあり、骨折離脱していた炭谷がこの日から再昇格した面もある。しかし、序盤に7安打も許せば、リズムも生まれない。何より、原監督自身が伸び悩む大城には特別な思いもある。

 最近になって「打撃もおかしくなってる。5番を打たせたヤツとは思えない。(体も)痩せちゃってる。高校の時から暑さに弱い。来年も私がいるなら(起用法を)考えないといけないな。8月は使わないとか」と冗談交じりに漏らしたこともあった。

 高校、大学の直系の後輩に当たることを差し引いても大城の力量を高く評価。厳しい言葉は、期待の裏返しも含めての“懲罰交代”の意味合いが強い。大城も「(福田の一発は)防げる失点でした」と意を感じ取った様子だった。

 今季の原巨人でイニング途中でのバッテリー交代は異例。これまでベンチ内でナインを個別に叱責したケースはあったものの、泰然自若を決め込んでいた指揮官もいよいよギアチェンジしたということか…。投手陣では宮本投手総合コーチが先発、ブルペン勢を問わず、フル稼働を指令。5年ぶりの栄冠に向けて、チーム全体を引き締めながらラストスパートに入る。