右ヒジの炎症で二軍調整中の中日・松坂大輔投手(38)が1日、来季も現役続行を希望することを球団側に伝えた。加藤宏幸球団代表(60)がこの日の練習前、ナゴヤ球場を訪れ、松坂と約10分、面談。「僕の方から彼の気持ちを聞きました。彼は現役を希望しているということ。強い意志? それはあったね。できるんだっていうか、やりたいという。気持ちはわかりました」と加藤代表は現役続行にこだわる松坂の熱い思いを確認した。

 しかし希望通り来季もドラゴンズのユニホームを着ることができるかは微妙な状況だ。今季はキャンプ中に右肩を負傷した影響もあって一軍登板はわずか2試合(0勝1敗)。先発陣には梅津、山本、清水ら新戦力が次々と台頭してきた。「球団としては白紙です。現場と編成について話をしたときにどうなるか」(加藤代表)というだけに現場サイドが若手投手に切り替えると判断すれば戦力外となる可能性も出てくる。

 ただ球界のレジェンドが現役続行に強い意欲を示したことで、中日ナインの間からはこれまで以上に松坂の契約更新を望む声が高まってきた。

 ある投手は「松坂さんはシュートを外角のボールから中に入れてきてストライクを取るピッチングをされる。日本人にはそういう配球やボールの動かし方をする選手はいないのでとても勉強になります。映像を見てるだけでいいイメージがつくし、来年も教えてもらいたい」と熱望。

 主力野手の一人も「あれだけの高いレベルでプレーされている方。雰囲気も他の人とは違う。吸収することも多いし、来年も一緒にやりたいです」と訴える。チーム内の一部では限界説もささやかれていた松坂だが、存在感は別格なだけにまだまだドラゴンズに必要な存在だということなのだろう。

 契約延長かそれとも戦力外か。球団サイドがどんな結論を下すのか、ナインも固唾をのんで見守っている。