西武は1日、今季123試合目で初の単独首位に立つ可能性のあったソフトバンクとの天王山第3戦(メットライフ)に1—4と敗れ連勝は5でストップ。再び1ゲーム差に後退した。

 辻監督は「そんなに甘くないやろ。向こうも必死。だから粘り合いですよ。(2勝1敗も)終わってみればよ。今回は勝ち越したけど、あさってから厳しい戦いは続くと思う」と3位・楽天が3・5ゲーム差に迫る残り20試合の試練を予想。「本当に疲れているから、サンペイ(中村)も栗山も休ませたいんだよ。気持ちを入れ替えて、あさって(3日のオリックス戦)から頑張ります」と満身創痍のチーム状況に言及した。

 前日(8月31日)の第2戦で39号、40号を連発した山川はこの日は4タコ。「当然今日は勝ちたかったですけど、結果なんでしょうがない。とりあえず1ゲーム差になったので落ち込んでいる暇はない。ホークスもずっと勝つかもしれないですけど僕らもそれに付いていくしかない」と残り20試合も“打ち勝つ”覚悟を語った。

 とにもかくにも、昨年に引き続き西武の勝ちパターンは打ち勝つのみ。一時は最大8・5ゲーム差あったホークスとの差をここまで詰めたのも、猛暑の8月に打線が大爆発したからこそ。

 17勝10敗でホークス追撃態勢に入った8月の27試合でも泣きどころの先発投手陣は月間防御率が今季ワースト、6・34と“夏バテ”した。それを自慢の強力打線が同打率2割9分9厘、47本塁打、172得点(1試合平均6・37得点)の猛爆ではね返し、31日には2厘差にまで肉薄した。

 チーム関係者は「ウチの生命線は誰が見てもこの打線。たとえ初回に先発が大量失点したとしても、その後をしのいでゲームさえつくってくれればはね返せるだけの力は持っている。怖いのはここまで一度もない打線の一斉スランプ。それが最後に来ないことだけを祈っている」と唯一で最大の武器の機能不全だけを心配している。