いよいよ尻に火がついた。ソフトバンクはエース・千賀滉大(26)で初戦に臨んだものの、まさかの逆転負け。4連敗で眼下の西武に1ゲーム差まで詰め寄られた。工藤公康監督(56)は「1つ負けたから終わりではない。明日、頑張りましょう」と前を向いたが、焦りの色は隠せない。

 1週間ほど前の22日には2位西武に5・5ゲーム差をつけていた。楽々と先頭でゴールテープを切っても不思議ではなかったが、頼みの千賀は3連敗。前カードのオリックス戦が2戦連続で降雨中止となった影響か、打線も内川、柳田、グラシアルのクリーンアップで計2安打と湿り気味だ。元気印の松田宣も8月は打率1割7分9厘と精彩を欠いている。

 そんな危機的状況の中で「柳田が戻ってきたが、いまひとつ打線がつながっていない状況。状態に問題がないなら一刻も早く戻って来てほしい」(チーム関係者)と背中痛で戦列を離れているアルフレド・デスパイネ外野手(33)に“緊急SOS信号”が発信されている。

 今回の3連戦後は、移動日を挟んで本拠地7連戦。本来そこからの復帰が想定されていたが、悠長なことは言っていられない。今カード3戦目にデスパイネを電撃昇格させる可能性も出てきた。試合後、森ヘッドコーチも「そこは明日になってから。明日、しっかりと話し合って考えたい」と主砲の一軍復帰に含みを持たせた。

 デスパイネは既にフリー打撃を再開しており、状態は問題ない。ネックは14日の楽天戦を最後に実戦から遠ざかっていることだが、8月は離脱前まで打率3割7分5厘、7本塁打、18打点と絶好調だった。普段は選手のコンディショニングに細心の注意を払っている工藤監督だが、背に腹は代えられない状況になっている。