中日・阿部寿樹内野手(29)の勢いが止まらない。28日の阪神戦(甲子園)で2戦連発の6号決勝ソロを放ち、8試合連続安打。先発の小笠原に396日ぶりの白星となる今季初勝利をプレゼントし、チームは2年連続で阪神戦の勝ち越しを決めた。

 相手先発の青柳が徹底して投じてきた独特なスライダーを最後に左翼席に放り込んだ。「いい投手は打ちにくいので、どうしてもゴロになっていたけど、よく飛んでくれた。(感触が良くて)行くかなと思ったけど、めちゃくちゃ走りました」と笑みを浮かべた。

 絶好調を維持している阿部のリラックス法の一つが“孤独のグルメ”だ。独身のため「自分で作るのも面倒なんで」と地元の名古屋では積極的に一人飯を堪能。「居酒屋も行きますし、(餃子の)王将も、焼き肉も全然、一人で行きます。遠征先では、たまに何人か(の選手)で外食するけど、一人のときはホテル(宿舎)で食べたりしている」

 今季はプロ4年目で初めて規定打席に到達し、二塁のレギュラーをものにした。それだけに「街中で、たまに声をかけられるようになった」そうだが「(飲食店では)隅のほうで、ひっそりと食べているのでバレないものですよ。一人で食べるのはリフレッシュにもなる」と明かす。

 蓄えたひげがトレードマークで、その穏やかな風貌からニックネームは伊東ヘッドコーチが命名した「(バーの)マスター」。すでにチーム内で浸透しており、阿部は「最近は球場でもファンから『マスター!』と声をかけられることが増えてきた。食事のときは静かに食べたいけど、球場ではどんどん声をかけてほしい」と切望する。竜の「マスター」はカクテル光線がよく似合う。