統一球問題で「王コミッショナー」待望論

2013年06月14日 14時00分

 王会長は選手、指導者として世界に名が知られ、国民栄誉賞を受賞、文化功労者にも選ばれた。名球会会長も務め、今年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では特別顧問として日本代表を支えた。代表監督の人選が難航した際に加藤コミッショナーに代わって水面下で東奔西走したのも王会長だった。ソフトバンクではフロントとして編成にも関わっていることから、ユニホーム、背広組の代表として広い見識も期待できる。

 現場軽視、ファン無視ともいえる今回の統一球問題を受け「このままではファンから見放される。これを契機に(NPBが)しっかりした組織に生まれ変わらなければいけない」と球界関係者は危機感いっぱい。そんなNPBを救えるのは、いよいよ王コミッショナーしかいないというのだ。

 なかには早速「王さんだけを奉ることになるとよくないから、側近に実務部隊を何人か置く必要がある。エンターテインメントをビジネスとして理解している優秀な人を周りにつけるとうまく回っていくはず。どんな組織でも、それぞれの専門分野を持ってる人たちが集まることで偏った考え方にならない。王さんを支える人も重要だ」との意見も。それほど事態は切迫しているということだろう。

 各球団からはこれまでも機構側に対する不満は多かった。「セ・パの両連盟とコミッショナー事務局が三極一致というけど、窓口が全然一本化されていない。事務的なことでも面倒なことは多い」「北京五輪の時に大挙して北京にNPB関係者が乗り込んだ。背広組の方がユニホーム組より多いんだよ。何のためにあんなに行く必要があったのか。そのせいで期間中は日本のNPBと連絡がちゃんと取れなかったことがあった」「国際部には有能な人もいる。でも機構側は後継者を育てる気が全くない」…。

 NPBが運営する公式サイトについても、こんな声がある。「選手の成績データの英語版を長い期間作っていなかった。MLBの関係者が文句をつけたことがあったんです。それで慌てて作るようになった。外圧に負けた格好ですよ。まさにお役所です」(球界関係者)。そんなNPBへのいら立ちも、この統一球問題で一気に爆発。「王コミッショナー」は「待望論」「理想論」から「現実論」へと、すでに移行している。

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