いよいよ役者が揃った。左ヒザ裏を痛めて長期離脱していたソフトバンクの柳田悠岐外野手(30)が21日のオリックス戦(ヤフオクドーム)から一軍復帰する。20日はヤフオクドームでの打撃練習で快音を響かせ「(チームメートを)尊敬します。100試合以上やっている。疲れていると思うので(自分が)いい結果を出せるようにしたい」と話した。

 現状、故障明けでフル出場させていない選手も多いが、V争いがもつれればそうもいかなくなる。首脳陣は「そう簡単にいくものではないが、理想を言えば(最後の直線で)ムチを入れずに…となれば一番いい」とも語る。リーグ戦の先にはCSもあり、故障の再発だけは厳禁だ。

 残り29試合。この日、西武が勝ったためマジックは点灯しなかったが、思い描いた最高の展開に近づきつつある。2位・西武とは5・5ゲーム差あり、3位以下は大混戦で最下位からCS圏の3位までは2・5ゲームしかない。しかも他球団からすればソフトバンクは次から次へと故障者が復帰して戦力アップしている状況だ。

 21日からは2年前の最優秀中継ぎ投手・岩崎も復帰する。現在Bクラスに甘んじているライバル球団からは「さすがにもうソフトバンクには行ってもらって…とならざるを得ないでしょう」との現実的な声も出ている。ソフトバンクにしてみれば「下が叩き合ってくれればかなり楽になるのは間違いない」(チーム関係者)。

 ここまで若手が活躍したこともあり、万全ではない主力に適度な休みを与えつつの馬なりVも見えてきた。その先にある日本一へも順風満帆だ。