巨人 鳴り潜める原監督の”鬼モード”

2019年08月21日 16時30分

試合を注視する原監督

 巨人は20日の中日戦(ナゴヤドーム)で、わずか3安打ながら2―1で逃げ切った。連勝を5に伸ばし、2位DeNAを6ゲーム差まで突き放した。今季も残すところ32試合。22日にもマジックが点灯するが、チーム内からは気になる声も…。前政権時までたびたび見せてきた原辰徳監督(61)の“鬼モード”が鳴りを潜めているのだ。

 最少リードを最後まで守り抜いた。初回に丸が6試合ぶりの安打で先制点を叩き出すと、なおも二死一、三塁の場面から一走・岡本との重盗で2点目をもぎ取った。2回から8回まで無安打に封じられたが、何とか投手陣が初回の1失点だけでしのいだ。

 試合後、原監督は3安打の勝利に「戦っている上においては、あんまり感じないんですけど、まあよく勝てたなという感じはしましたね」としつつ「ピッチャーみんなが頑張ったってことでしょうね」と振り返った。

 殊勲打と好走塁を見せた丸も「追加点を取れれば、投手はもっと楽に投げられた」と思わず反省が口をついて出たが、ジリ貧な試合でも勝ち切ったことが何よりも大きい。貯金も17まで積み上げ、いよいよマジック点灯カウントダウン。そんななか、古参のチームスタッフからは「もちろん原監督はどの試合も本気で一戦必勝で臨んでいるけど、本気の本気の原辰徳はまだ出ていないんじゃないかな」との声が飛び出した。どういうことか?

 一時はDeNAと広島の猛追を受けて0・5差まで詰め寄られたが、結果的には6月18日から2か月以上も首位をキープしている。しかも、ここへきてライバル球団の戦力が大幅ダウン。この日対戦した中日は平田とアルモンテを故障で欠き、広島はバティスタが“ドーピング離脱”、DeNAでも宮崎、パットンが戦列を離れている。巨人も炭谷の骨折離脱もあったが現有戦力でやりくりし、期せずして追い風が吹く格好となっている。第2次政権下で行われた「内野5人シフト」のような奇想天外な戦略、懲罰交代などの非情采配は見受けられない。

 振り返れば、開幕前にこんな一幕もあった。各メディアで繰り広げられる優勝予想は巨人と3連覇の広島に集中。本紙でも半数近くが巨人優勝と占った。当事者である指揮官はどんな思いだったのか。当時、原監督本人に聞くとこんな答えが返ってきた。

「極端に言うと悪い方がいいな。4位とか5位ぐらいでね。心理としては(順位予想は)低い方がいい。周りをアッと驚かせられるじゃない」。つまり、追い込まれるほどに、周囲を驚かせ、時には震え上がらせる“本気の原辰徳”が顔を出すのだが、他球団が勝手に転んでいる今の展開を見ると、それを出すまでもない状況となっている。

 果たしてこのまま“鬼の原”降臨を見ずして、独走Vとなるのか。それとも――。