逆転CS進出を目指すはずの4位・阪神が“迷走″している。19日、矢野監督は新助っ人のヤンハービス・ソラーテ内野手(32)の二軍落ちを断行。7月21日に来日し、同26日の巨人戦で一軍昇格していきなり決勝弾を放つなど華々しいデビューを飾ったが、その後は攻守にわたってポカの連続。スタメン落ちも目立ち、ここまで出場20試合で打率1割8分8厘、4本塁打、9打点、4失策だった。

 愛称を「セクシータイム」と紹介し「与えられたところでやるのが自分の仕事。どこでも守れて両方で打てるのが強み」(ソラーテ)だったが、わずか1か月で登録抹消…。「(残り30試合を)どう戦うかが問われている」と危機感いっぱいの指揮官としても背に腹は代えられない事情もあった。ソラーテ起用に対するチーム内の「反発」が予想以上に噴出したからだ。

 ある首脳陣などは「最初から無理だった。ただでさえウチは打てないんだから、守備でもダメなら投手陣との関係がさらに悪くなる。DeNAのソトみたいに守れなくても1日1本打ってくれればいいけどそれがない。もともと、どこでも守れるなんていうのは信用するほうがダメ」と勢い余って獲得したフロント陣の不手際も原因と断罪。しかし、今となっては後の祭りだ。

 ドタバタ感はこれだけではない。チームの低迷はベテラン・福留孝介外野手(42)の起用にも及んでいる。近年は「休養日制度」を設けてプレーしてきたが、残り30試合という待ったなしの状況下、清水ヘッドコーチはこの日「誰かを休ますとかはできない。福留もできるだけ休みを考慮したいけど、ここは頑張ってもらうしかない」とフル出場させると方針変更した。

 悩める打線の方は左足首の関節炎で離脱していた糸井が20日のDeNA戦(京セラ)にも一軍復帰する見込みだが、いかんせん故障明けで過度の期待は難しく、疲労困ぱいの福留に今後も骨を折ってもらうしかない。福留自身は「もっと野手全員が投手陣を助けてあげないと」と奮起するが、無理使いは逆の目が出る恐れもある。

 3位の広島とは5ゲーム差で、最短なら22日にも自力でのCS進出が消滅する。チームの内情もこれでは頭が痛い。