広島の4連覇に黄信号がともった。14日の首位巨人との直接対決(マツダ)に負け越して4・5差とされ、自力優勝の可能性が消滅。緒方孝市監督(50)は「また一戦一戦。勝ちを続ければ(可能性は)復活するだろうし」としたが、この日でホームの今季巨人戦は終了。相手より4試合少ない残り試合を考えれば、かなり厳しい状況に追い込まれた。

 土俵際で迎えた大一番に広島ベンチは動いた。リーグ4位タイの26本塁打を誇るバティスタをスタメンから外し「3番・左翼」で高卒3年目捕手の坂倉を抜てき。だが、この一手は結果的に裏目に出た。坂倉は2三振を含む4タコ。守っても9回に失点につながるミスで足を引っ張った。

 とはいえ、若ゴイを責めるわけにはいかない。責任はこの重い一戦で起用したベンチにある。指揮官は長打が魅力のバティスタ、メヒアのスタメン落ちに「今の状態じゃダメでしょう。今日の投手(菅野)のあの球筋は打てないでしょ。立っているだけの怖さだけじゃ点は取れない」と両大砲をバッサリ。坂倉に関しては「いろんな経験を積ませながら。彼には期待している部分が大きい」としたが…。

 終盤に島内、岡田、遠藤と立て続けに若手を投入して傷口を広げた継投にも、試合後は身内から異論が噴出した。勝ちにいくのか、育てているのか――。今季最後の地元巨人戦は後味が悪い一戦となった。