阪神は12日の中日戦(ナゴヤドーム)に1―5で敗れ、連勝は2で止まった。プロ初登板の相手先発・梅津から6回までに1点しか奪えず初白星を献上。初モノへの苦手意識は払拭できず、今季プロ初勝利を許すのはこれで5人目だ。矢野燿大監督(50)は「もともとうちはそう言われることが多い。他のチームはどうか分からないが、今後そういうことをなくしていけるようにする」と厳しい表情で話した。

 しかし、打線以上に深刻なのが先発陣だ。この日、先発したガルシアは古巣相手に7回4失点で勝利を呼び込めず6敗目を喫し、10戦勝ちなし。指揮官は「投げ方もよくないし難しい。ドリスとの兼ね合いもあるが…」と外国人選手枠の使い方に頭を悩ませる。ただ13日先発の青柳が約2か月間、白星から遠ざかりながらも先発枠にとどまっているように先発の駒不足は顕著。一軍昇格間近の岩貞以外に二軍にも猛アピールする選手はおらず、苦しいやり繰りを強いられている。

 そんななか急浮上するのがランディ・メッセンジャー投手(38)だ。米国での右肩治療を終え、現在は二軍での実戦復帰に向けて調整中。本人も「すぐにでも上がりたい」と意欲を燃やしており「今年は不調で全然勝っていない(3勝7敗)が、こういう状況ならメッセンジャーに早く上がってきてもらうしかない」(チーム関係者)と早期復帰を望む声がある。

 その一方で「万全にしてもらってからでないと二軍に落とした意味がない。今回は特別扱いはなしで二軍でしっかりと結果を出してからでないといけない。登板間隔について不満を言うこともあったし…」(球団OB)と毎度恒例の“メッセ頼み”に慎重論があるのも確か。球宴後の24試合で先発投手に白星がついたのは3度(西2勝、秋山1勝)だけという苦しい台所事情の阪神に救世主は現れるのか…。