本紙評論家・遠藤一彦氏が分析 DeNAが現状はセ一番星

2019年08月10日 13時00分

本塁打を放った筒香とハイタッチを交わすロペス(左)

【ここが違う 遠藤一彦】DeNAが9日の中日戦(横浜)に10―6で打ち勝った。この試合では骨折離脱の宮崎に代わり、5年ぶりに三塁守備に就いた筒香嘉智外野手(27)が、満塁弾を含む2本塁打7打点と大爆発。勝負手を打ったアレックス・ラミレス監督(44)もニンマリだった。首位の巨人が勝ったため、ゲーム差は1のままだが、3位の広島までの3球団が1・5差にひしめいている。果たしてDeNAの勢いはどこまで続くのか。本紙評論家の遠藤一彦氏に聞いた。

 筒香の三塁には驚きましたね。「おっ、きょうの筒香は3番か…って、えっ三塁!?」という感じで「3」を打順と勘違いして、二度見してしまいました。でも、本人は入団当時から「三塁を守りたいです」と言ってましたし、うれしかったと思いますよ。守備での集中力が打撃にも生きたんでしょう。

 筒香はもともと三塁を守っていたわけだし、それほど問題はなかったでしょうが、ラミレス監督は選手にいろいろなポジションを守らせながら、相手投手や状況に応じ、臨機応変に起用していくのが采配のスタイル。きょうは外野で細川を使いたかったのでしょうが、またバリエーションが増えましたね。

 選手起用に関しては「独断専行」という噂もチラホラと耳にしますが、実際にコーチに聞いてみると「遠藤さん、いろいろあるんですよ…」と多くを語らず。まあ、結果が出ているのですから、何の問題もありません。実際にラミレス監督の起用法により、今の選手には高い競争意識が身についています。

 神里、乙坂、関根、佐野、細川らの外野陣は、気が抜けないポジション争いをしていますし、中井や石川らの中堅もしのぎを削っています。ちょっと寂しいのは、そこに野手では梶谷、投手では井納がいないこと。首位を追い上げているうちは、勢いだけで突っ走れるかもしれませんが、首位に立ち、今度は守る側になったときにどうするのか。そこで実績のあるベテランの力が必要になってきます。

 ラミレス監督は井納について「突然崩れることがあるから、信頼できないんだ」と話していました。井納は「打たれてもしゃあねえな…」というタイプで、気持ちを前面に出す性格ではないのですが、今こそ「オレを一軍で使ってくれ」という男意気を見せてほしい。梶谷だって若手外野手との競争に敗れ、このまま二軍で終わってもいいのか。よくないでしょう。彼らベテランの力が加われば、ラミレス監督の采配も、よりバリエーションが増えるはずです。

 宮崎、伊藤光が故障で離脱したことは間違いなく痛いです。パットンの故障はむしろ…ですが。ただ、今のDeNAには、それをカバーできるだけの競争力がある。投手力は先発もうしろも安定していますし、東の復帰も近い。先発投手の登板間隔を詰めるような無理な使い方もしていません。現状はリーグで一番いい状態だと見ています。OBとしても、最高のゴールを期待しないわけにはいきません。

 日本一となった1998年は、やはり伸び盛りの主力選手たちの勢いで突っ走りましたが、当時の駒田の役割を担うべき、ベテラン選手たちの奮起にも期待したいところです。