広島・野村 3年ぶりの完封逃すも緒方監督は「100点満点」と絶賛

2019年08月09日 16時30分

ファンの声援に応える野村

 広島・野村祐輔投手(30)が復活を印象付ける快投でチームを6カード連続の勝ち越しに導いた。8日のDeNA戦(マツダ)に4―1で快勝し、首位の巨人に1・5差。ヒーローは8回無四球1安打無失点で6勝目(3敗)を挙げた先発右腕だ。惜しくも3年ぶりの完封は逃したが、緒方監督も「100点満点」と絶賛の投球内容だった。

 本人が「直球が良かったですね」と振り返ったように、球速は140キロ前後でもこの日はキレが抜群。次回は中5日で14日巨人戦に回る予定もあって9回はフランスアに譲ったが、8回を投げ終えてから「あと1イニングか」と気付くほど集中していたという。

 驚くべきは右腕の“夏男”ぶり。この日もナイターとはいえ気温30度を超える酷暑の試合だったが、野村は「涼しかったですよ」と真顔で言ってのけた。報道陣が驚くと「本当ですって。マウンドはちょっと風が吹いていたから」と笑った。

 苦い夏の記憶も今年は追い風だ。12年前の夏、野村は広陵(広島)のエースとして甲子園の決勝マウンドにいた。佐賀北の“がばい旋風”にのみ込まれて準優勝に終わった一戦は高校野球ファンの間では今も語り草となっている。前日、花盛りの高校野球の話題になると「夏だからといって思い出すことはないですよ」としつつも「負けちゃいましたけど、今年は佐賀北を応援していました」と明かしていた。

 初戦で神村学園(鹿児島)に敗れた佐賀北の久保監督は12年前の夏に投げ合った相手。直接連絡を取り合う仲ではないが、青年監督の活躍には「僕もそんな年になったんだなあ」と少なからず刺激を受けていた。

 暑さに強いのは甲子園育ちゆえか。試合後に改めて聞くと、首を振りながら「いやいや、12年前がどうだったかなんて覚えていませんよ。それよりも今の子たちの方が暑くて大変だと思いますよ」と球児たちを気遣った右腕。「まだまだ取り返さないといけない」と終盤のフル回転を誓った。