広島のサビエル・バティスタ外野手(27)が好調だ。7月上旬に打撃不振と外国人枠の関係で二軍落ち。後半戦開始の同15日に一軍に登録されると、18試合すべてに先発出場して打率2割7分9厘、7本塁打、15打点と安定した成績を残している。

 7月23日の中日戦から12試合連続安打中の助っ人は首位・巨人に2ゲーム差と迫った赤ヘルに欠かせない存在となっている。そんなバティスタは打撃面だけでなく、他のことでもチームに貢献している。それが“気さくな兄貴分”としての役割だ。

 クレート通訳がこう証言する。「バティは(日本が)長いから、ドミニカの選手にもよくアドバイスをしているよ」。日本生活の浅い後輩たちが日本のルールなどを知らないうちに破っていると「それ、良くない」「それ、日本人好きじゃない」と注意を促しているという。

 二軍降格時に自主的にサンタナと打撃の話をしたり、一、二軍関係なく食事に誘ったりもしている。それには自身の経験が関係しているという。2015年の来日時を「練習時間が長くて戸惑った」と振り返る助っ人は「ちょっと(日本では)難しいかもしれない」と感じた経験から積極的に新しい選手と関わり「一生懸命にやって。そうしたらうまくいく」と伝え、慣れない異国生活に苦労する後輩を手厚くサポートしているのだ。こうした姿勢は日本人選手に対しても同じで、つい先日も磯村から打撃のコツを聞かれ、熱心に答える場面もあった。

“兄貴分”としての責任感が芽生えつつあるバティスタ。打撃での圧倒的存在感だけでなく、そういった心配りも逆転ミラクルVを狙うチームの大きな力となりそうだ。