対岸の火事じゃない…吉本闇営業問題 某選手が明かしたヤバ~イ経験

2019年08月06日 11時00分

謝罪会見する宮迫(左)と亮。球界も決して人ごとではない

【広瀬真徳・球界こぼれ話】今、ちまたの話題といえば吉本興業の芸人たちによる闇営業問題だろう。「雨上がり決死隊」宮迫博之(49)と「ロンドンブーツ1号2号」田村亮(47)らが反社会的勢力と酒席を共にした騒動だが、この影響は芸能界だけにとどまらない。プロ野球界でも多くの選手が注目している。

 先日、某選手が雑談中に神妙な面持ちで、こんな話をしてくれた。

「吉本興業の芸人が反社の闇営業に参加してお金をもらったことは確かに悪い。でも、僕らにとっても人ごとじゃないですよ」

 聞けば、地方出身のその選手は、地元でたびたび「予期せぬ会合」に参加させられ、吉本芸人と同じような経験をするという。

「僕の地元は田舎なので、オフに帰省するたびに、いろいろな酒席の誘いがくる。もちろん、知らない人たちとの会合は極力避けますが、学生時代に世話になった方々が開く会は、そうもいかない。で、半ば強制的に参加させられると、明らかに、そのスジと分かるような人たちと遭遇することがあるわけです。『一緒に写真を』とか、お車代として金銭を渡してくる人もいますから。怖いですよ」

 野球選手は飲食店に入ると見知らぬ人から頻繁に声をかけられる。チームの主力であればあるほど、その確率は高まる。私自身も選手との食事中、素性の分からない人たちが近寄ってきたことがあった。数年前の春季キャンプでのこと。個室居酒屋で食事中だったにもかかわらず、隣室から恰幅のいい中年2人組が突如乱入。「ここの代金は俺が払う。代わりに写真とサインをくれ」と大声で話しかけられた。われわれは丁重に断り、何とかその場をしのいだものの、帰り際に店主から小声で、こう告げられた。

「先ほどの人たち、この周辺のかいわいを仕切っている人なんです。すみません。嫌な思いをさせてしまって」

 何の落ち度もなくても、一歩間違えば反社勢力の人物と接点を持つ可能性はある。それが人気商売であるプロ野球選手の宿命だ。この事実に鑑みると、今回の吉本芸人の騒動は選手にとって対岸の火事ではない。

「吉本問題が発覚して以降、トラブルを恐れて写真撮影に応じなくなったり、遠征先で知らない店に近づかないなど警戒を強める人が多くなった気がします。ただ、どれだけ注意しても反社の人たちは巧妙に近づいてくる。しかも、数年前の写真をネタにされるのですから。過去に心当たりのある人を含め、みな戦々恐々です」とは前出の選手。

 一連の騒ぎが球界に飛び火しないことを祈るばかりだ。

 ☆ひろせ・まさのり 1973年、愛知県名古屋市生まれ。大学在学中からスポーツ紙通信員として英国でサッカー・プレミアリーグ、格闘技を取材。卒業後、夕刊紙、一般紙記者として2001年から07年まで米国に在住。メジャーリーグを中心に、ゴルフ、格闘技、オリンピックを取材。08年に帰国後は主にプロ野球取材に従事。17年からフリーライターとして活動。