今秋ドラフトの超目玉、大船渡・佐々木朗希投手(3年)の争奪戦から早くもDeNAの離脱が予想されている。

 12球団の先陣を切って日本ハムが6月2日に「ドラフト1位指名」を公言。巨人は7月29日のスカウト会議後、長谷川スカウト部長が「確かに大谷君もすごいなと思ったけど、佐々木君の方がすごいと思う。ボールの強さが違う。大谷君も160キロが出たけど、佐々木君の160キロは『えっ、そんなもんか。もっと出たんじゃないの』と思った。クイックもできるし変化球のコントロールも。腕が緩まない。そういうところも、やっぱり魅力」とベタ褒め。佐々木が1位候補の最右翼であることを示唆した。

 今から何球団が1位指名で重複するのか注目される“令和の怪物ドラフト”だが、複数のNPB球団の間で「あそこはすでに降りている」と断定的に語られているのが、今夏の岩手大会で大船渡が戦った6試合に「一度も姿を見せなかった」という唯一の球団であるDeNAだ。

 通常、これだけ注目されている投手の最後の地方大会調査に担当スカウトさえ現場にいないノーマークはあり得ない。複数のNPB球団スカウトは「あそこは例年、大学生の即戦力投手にいって、それなりの実績を残している。その方針を貫くということでしょう」と、大学ナンバーワン右腕、明大・森下暢仁投手(4年)を筆頭とする独自路線継続を予想しながら、姿を見せない潜行調査に不気味さも感じている。

 確かにDeNAの1位指名は2014年の山崎康晃投手(亜大=15年セ新人王)、15年今永昇太投手(駒大)、16年浜口遥大投手(神奈川大)、17年東克樹投手(立命大=18年セ新人王)、18年上茶谷大河投手(東洋大)と最近5年は当たり続き。このゲンのいい路線の踏襲が前提なら、佐々木にシフト変更する方が球団にとってはリスクが大きいという考えなのだろうか。