巨人が28日の阪神戦(東京ドーム)に16―4で大勝。連敗を4でストップした。

 初回から強烈な一発を叩き込んだ。岡本の押し出し四球で逆転し、なおも一死満塁。打席に立ったアレックス・ゲレーロ外野手(32)は阪神・岩田の外角143キロ直球をバックスクリーン左へ。来日初となる9号満塁弾で打線を勢いづかせ、終わってみれば16安打16得点を奪う大勝劇の“火付け役”になった。

 お立ち台こそ4号2ラン、5号満塁弾の2本塁打を放った炭谷と、今季5勝目を飾った先発・桜井のバッテリー2人に譲ったものの、インパクトは絶大。それでもゲレーロは「ベリーグッド。自分のスイングを心がけていくだけ」と控えめだった。

 6月19日に打撃不振で二軍へ降格し、1か月以上もファームで調整を続けた。26日から一軍へ再昇格すると、これで3戦連続安打となったが、ファーム調整中は心を折られそうになり、周囲から不満分子化する可能性も指摘されていた。

 そんな暴発寸前だったゲレーロを見事にフォローしたのが「違う国でやっているんだから、独りぼっちにさせちゃダメ」という“助っ人操縦術”を貫く元木内野守備兼打撃コーチ(47)だ。一軍に合流したばかりのゲレーロと談笑するなどコミュニケーションを密に取り、和やかなムードを築き上げている。

 試合後、元木コーチは「(ゲレーロとは)友達みたいな感覚でやってきているからね。『アミーゴ』と言ってきたから『帰ってきたか!』と声をかけたんだよ」。さらに「ビヤ(ビヤヌエバ)が下に落ちてチャンスが巡ってくることになったけど、いい形で(一軍に)入っていけていると思う。(今日の満塁弾で)皆もまとまっていけたしね」と続けた。

 ゲレーロも元木コーチについては「グッド・ガイ!」と満面の笑み。連敗ストップの裏には首脳陣のこんな好アシストもあったようだ。