広島が24日の中日戦(マツダ)に2―0で勝ち、今季4度目の5連勝を飾った。ヒーローは9回1安打の今季初完封で6月16日以来の7勝目を挙げたクリス・ジョンソン(34)。味方の拙守にも感情を乱すことなく、竜打線を終始圧倒した。

 最大の危機は6回だった。先頭打者の三塁へのゴロを安部がはじいて無死一塁。次打者の平田を内角直球で詰まらせ、注文通りの三ゴロ併殺打と思いきや再び安部がファンブル。左腕が顔をしかめたのを見て、ベンチから佐々岡投手コーチがマウンドへ飛び出した。

 ジョンソンの投球を左右するのは一にも二にもメンタル。緒方監督も「流れからいけば点が入るところ」と失点を覚悟した場面だったが、この日のジョンソンはひと味違った。犠打で一死二、三塁とピンチは拡大したが、グラブに顔をうずめて一発ほえただけで感情を抑え込むと、大島を見逃し三振、ビシエドを右飛に切って味方のミスを見事にカバーした。

 結局、許した安打は3回の平田の右前打だけ。「とにかく全力を尽くして投げた」というオトナになったジョンソンに、指揮官は「これ以上の投球はない。後ろの投手も連投が続いていたし、いろんな意味で助かった。大きな一勝」と賛辞を惜しまなかった。