中日が17日の阪神戦(豊橋)に6―4で競り勝ち、4年ぶりの7連勝。最大11まで膨れ上がった借金を3まで減らし、単独3位に躍り出た。与田監督は「とにかくこの連勝をうまく続けていく。流れとしてはいい形になった」とほくそ笑んだ。

 ヒーローは前日の試合で右小指橈側側副靱帯を痛めて登録抹消された高橋に代わって5番に座り、決勝打を含む3安打2打点と大暴れした4年目の阿部寿樹内野手(29)だ。

 4―4の8回一死一、二塁で3番手・藤川の初球の直球を捉え、見事に中越え2点勝ち越し適時三塁打を放って「(変化球と)どっちも待っていたら打てないので球種を絞って、真っすぐに振り遅れないようにしてしっかり捉えられた」と、してやったりの表情を浮かべた。

 そんな阿部は2015年にドラフト5位で発掘してくれた落合博満氏(当時GM)への恩返しの気持ちを持ってプロ生活を送っている。「普通だったら26歳でドラフトにはかからない。もうプロは無理だと思っていたけど、こういう世界に来られたのは落合さんのおかげ」と感謝する。

 さらに「落合さんからいろいろ教えてもらったし、自分では自覚がなかったけど『お前は真っすぐに強いんだよ』と言われて、それを気づかせてくれた」といい、この日の決勝打にもつなげた。

 落合氏の期待の表れから、引退した和田一浩氏の背番号5を引き継いだが、入団当初は重荷に感じることもあり「ファームの試合とかで実際、ずっとやじられてきた。『なんでお前が5番なんだ!』って。最初はそういうことを言われるのはきつかったけど、結果を出さない自分が悪いので。練習をしっかりやろうと思ってやってきた」と打ち明ける。

 その上で「落合さんには、獲っていただいたにもかかわらず、ここまで戦力にならずに申し訳ない気持ちがある。今季こそは結果を残して、オフにやりましたと伝えられたらいいですね」。遅まきながら今季こそ堂々の成績を引っ提げて、落合氏の“眼力”を証明するつもりだ。