阪神は16日の中日戦(ナゴヤドーム)で、今季4度目のサヨナラ負けで5連敗…。首位の巨人がヤクルトに勝利したため、昨年より1試合早い今季86試合目で自力優勝の可能性が消滅した。

 巨人とのゲーム差は今季最大の11・5に拡大。後半戦連敗スタートとなった矢野燿大監督(50)は「それを考える余裕はない。自分とこをどうするか、上のことのどうこうはない。前を向いてやるしかないし、圧倒的にやられたとかそういう試合じゃない」と話した上で「(自力V消滅は)そっちの皆さん(マスコミ)が言うこと。そこを考えるより、俺らがどうやって成長してプレーできるかを考えていく」と力説した。

 舞台裏では中日に対する“ブーイング”が起こっていた。昨年チームが3敗を喫した松坂が阪神戦で今季初先発したわけだが、登板が決まったころから、チーム内では「ウチはいいように使われているのかも。ある意味、勝てると思われて松坂を出してきたのもある。本拠地ドームでもあるし、勝てばお客さんも盛り上がる。ピッチャーは誰でも早く白星が欲しいから松坂も相性いい阪神戦なら…ということでしょ。もう負けるわけにはいかない」(球団関係者)との声が充満していた。

 さらに阪神OBからは「大体、もう終わってる投手に去年3敗は本当に恥ずかしい。とっくにやっつけないといけないのに、できないから(阪神戦に)また当ててくる。ウチに斎藤佑樹(日本ハム)や新人投手がよく投げてくるのもそういうこと。ナメられてるんだ」とも。

 それだけにこの日は松坂に勝てればよかったが、昨季同様、ナゼか緩急に振り回され5回4安打、白星献上こそ免れたものの2点を奪うのが精一杯だった。「相性的に抑えられているのは分かっている。他の選手では作れないムードをつくれると思うから」(矢野監督)と警戒していたのも今ではむなしい限りだ。

 球宴第2戦(甲子園)ではサイクル安打を達成した近本らナインが躍動したが、大事なシーズンでは一転、苦戦続きの阪神。早く何とかしないといけない。