DeNA・綾部翔投手(22)が16日、2017年に知り合った未成年の女性と不適切な関係を持ったとして無期限謹慎処分となった。今回の一件は週刊誌の取材で発覚し、本人が事実を認めたものだが、球界では大きな波紋が広がっている。発覚に至るまでの流れは特殊詐欺グループの忘年会に出席し、報酬をもらった「闇営業問題」と同様。週刊誌にネタを売り込めばカネになり、騒ぎを大きくできることから「今後も同様の告発が続くのではないか」と、気が気でない選手もいるようで…。

 DeNAによると、綾部は17年12月にインターネットを通じて知り合った女性を高校生と認識しながら関係を持った。14日に綾部が週刊誌の取材を受けて球団に報告。球団の聞き取りに対して事実関係を認めたため、神奈川県の青少年保護育成条例違反の疑いがあるとして無期限謹慎処分を下したという。練習にも参加させない。

 三原一晃球団代表は「お相手やご家族、関係者やファンの皆さまに深くおわび申し上げたい」と謝罪。綾部は16年にドラフト5位で茨城・霞ケ浦高から入団し、17年にプロ初登板勝利を記録したが、その後は右肩の手術を受けるなど一軍での登板はなかった。昨年の11月に自身のツイッターで入籍報告をしていた。

 女子高校生と知り合った17年12月といえば、綾部は20歳。年齢はそう変わらないとはいえ、もう少し冷静に考えることはできなかったものか。

 綾部を知る関係者によると「純朴で真面目。先輩を敬うタイプ。ファンにも慕われていた」そうで、昨年5月末にはこんなことがあったという。綾部が「横浜スタジアムに向かってる途中にイーグルスファンの方が落としたと思われる小さなメガホンが横浜駅の横須賀線のホームに落ちてました。中央北改札の駅員さんに渡しておいたのでそのメガホンが持ち主に戻ると いいなぁ」とツイートすると、メガホンは無事に持ち主のもとへ。この一件もあり、ファンの間では「いい人」キャラが定着していた。だが、別の一面もあったということなのか…。

 今回の一件は球界でも波紋を広げているが、そのなかで気になるのは「やっぱり闇営業の問題の影響もあるんじゃないですか」という声だった。

「闇営業問題」とは、吉本興業などの芸人多数が特殊詐欺グループの忘年会に出席し、報酬をもらっていた不祥事のことで、人気コンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之(49)ら同社所属の11人が謹慎処分となった。

 週刊誌の報道で5年前の件が発覚。情報の出どころは「詐欺グループの元メンバーといわれる半グレ連中」で、明らかにカネ目当てだとみられるが、過去の出来事が週刊誌の取材により明らかになるパターンは、今回の綾部の流れと同じだ。

 今回は綾部を許せない者の告発のようだが、闇営業問題で“告発”がカネになると味をしめた半グレ連中が、今後は球界をターゲットにしてもおかしくはない。NPB関係者は「同じような告発が続くのではないか」と、懸念しているのだ。

 実際「コンプライアンスにうるさい今の時代ですからね。プロ野球選手といっても、とてもじゃないが派手に遊んだりするのは無理ですよ。闇営業の問題が、その流れに拍車をかけたのは間違いないです」と言い切る選手もいた。

 もちろん身辺をきれいにしていれば何の問題もないのだろうが、過去に何かしらの“身に覚え”があるのだとしたら…。「対岸の火事」でないのは、球界に限った話ではないかもしれない。