阪神は前半戦最終戦の10日の首位・巨人戦(甲子園)で力なく完敗。先発したランディ・メッセンジャー(37)は今季最短2回4失点の7敗目で二軍落ちが確実になるなど、宿敵に今季3度目の同一カード3連敗を喫し、2位はキープしたものの今季最大の9・5ゲーム差にまで広がった。

 シーズン後半戦を借金2で迎えることになった矢野燿大監督(50)は「そこは何を言っても返ってこない。まだ59試合残っているし、自分たちの野球をして成長していかないと…。前を向いてやっていく」と気丈に話したが、昨年も似た成績で最終的には最下位に沈没…。このまま巨人が連勝し、阪神の負けが込めば、後半戦スタート早々にも自力V消滅の危機が待ち受けるから穏やかではない。

 それでも、指揮官は試合前の前半戦総括の会見で「諦めない、超積極的という部分では、やれた。チーム全員で戦う姿とか、手応えはある」と終始前向き。球界OBから物議を醸している“矢野ガッツ”についても「僕がガッツポーズをすることでマイナスなことは何もない。僕自身が一番多くするぐらいのつもりで頑張っていく」と宣言したほどだ。

 頼もしい限りだが、新たな“心配ネタ”も。矢野監督の「不眠症疑惑」だ。チーム内外から「監督の表情が、しんどそうに見える。もともとは早寝早起きのタイプ。しっかりと寝られているのかどうか。体調も大事なんだから」と、異口同音に心配の声が噴出している。

 矢野監督は裏方やナインの食事会にも積極的に参加。二軍落ちした選手には必ず面談し、メールで「お前が戻ってくるのを待っている」と気を配るなど懸命にやってきたのも事実だ。「(試合に)勝ったときほど興奮して眠れない」が口癖だけに、なおさらだと周囲は気がかりでいる。

 矢野監督は「よく言われるけどね。目の下のクマとかシミが多いから、そう言われるかもしれない。でも、僕は至って元気。負けてるときは、そんな顔をしてるかもしれないけど、本当にメチャクチャ元気なんですよ」と、一応は“不眠症疑惑”を完全否定したが…。

 いずれにせよ、下馬評が低かったチームをここまで明るく躍進させたのは指揮官の手腕によるもの。へこたれるわけにはいかない。