コイがドロ沼で溺れている。広島は9日の中日戦(ナゴヤドーム)に3―6で敗れ、ついに8年ぶりの10連敗となった。打線は3試合ぶりに2桁の11安打を放ったが拙攻続きで得点につながらず、投げては高卒2年目コンビの山口が1回3失点KO、遠藤が4回3失点と傷口を広げた。抑えれば打てず、打っては打たれる悪循環。あっという間に4連覇が遠のき、ナインは目標を見失いつつある。

 先発野手全員安打も追いつき追い越すには至らず。“逆転のカープ”が発動しない。それでも緒方監督は打線復調に手応えを感じているのか「全然それでいい」とうなずくと「最後の最後まで全員で気持ちを向けて戦ったので、明日もまたそういうふうに戦いたい」と締めた。

 ただ指揮官が前を向いても眼前に横たわるのは非情な現実。交流戦開幕以降5勝22敗2分けの記録的な失速で最大14あった貯金は底をつき、今や借金生活。首位巨人とは10差に拡大した。まだ自力優勝の可能性は残り、CS出場の可能性も十分ある。それでもチーム内からは「いい夢見させてもらいました」との声も…。今季は頂点に照準を定めていただけにナインのショックは大きい。視点をどう切り替え、前に進むのか。コイの事情は数字以上に深刻だ。