独走・原巨人「トレード連発」の背景

2019年07月08日 16時30分

電撃トレード第2弾をまとめた原監督

 攻めの姿勢は変わらない。巨人は7日、和田恋外野手(23)と楽天・古川侑利投手(23)の交換トレードが両球団の間で成立したと発表した。同日のDeNA戦(東京ドーム)に4―6で敗れて連勝は7で止まったが、2位阪神とは6・5ゲーム差。それでも先月末の日本ハムとの2対2の交換トレードに続く積極的な投手補強の背景には、編成面を含めた全権を掌握する原辰徳監督のあくなき執念があった。

 2点を先制しながらの逆転負け。試合後の原監督は「9連戦の真っただ中でしんどいところかもしれないけども、一人ひとりが自分のケツを叩きながら3連戦頑張りたいと思います」と、球宴前最後のカードとなる8日からの阪神3連戦に向けて気合を入れ直した。

 連勝が止まったとはいえ、チームは首位を快走している。だが、指揮官は手綱を緩めるつもりはまったくない。この日の試合前には和田と楽天・古川の交換トレードが発表された。先月末には新外国人ルビー・デラロサ(30=前ダイヤモンドバックス傘下3A)、さらに日本ハムとの2対2の交換トレードで藤岡貴裕(29)、鍵谷陽平(28)を獲得しており、シーズンに入ってからの投手補強はこれで4人目だ。

 プロ6年目の古川は今季8試合に先発し、1勝2敗、防御率6・34。ただ6月5日の巨人戦(楽天生命パーク)では先発で6回途中4安打1失点と好投している。そんな経緯もあって、原監督は「古川は非常に若いし、イキがいい。戦っているしね。彼の長所というのは分かっている」と評価し「堂々とジャイアンツの門を叩いて入ってきてほしいなと思いますね」とエールを送った。

 それにしても首位を独走中のチームが、これだけの短期間で緊急補強を連発するのは珍しい。その裏には、原監督の強い警戒心があるようだ。

「独走状態になった時こそチーム内に慢心が生まれ、一気に崩れることもある。監督はそういうことを危惧しているから“打てる手はどんどん打っていこう”という姿勢で補強も行っているのでしょう。何より監督は『メークレジェンド』を経験している。その逆が起こることもあり得るわけですから」(球団関係者)

 第2次政権時の2008年、原巨人は7月8日の時点で最大13ゲーム差あった首位の阪神をひっくり返し、逆転Vを決めた。“独走の怖さ”を身をもって知っているわけで、しかも今季はDeNA、広島、ヤクルトとセ・リーグで大型連敗するチームが続出している。今は対岸の火事だが、いつ当事者になってもおかしくないという思いもあるのだろう。

 現在の原監督は、チームの編成面も含めた全権を握っている。過去の巨人では例がないほどに超スピーディーな形で続々とシーズン中の緊急補強が成立していく流れは、全権監督の体制ならではだ。

 7月31日のトレード期限まで、原監督の“二の矢、三の矢”ならぬ“四の矢”が繰り出される可能性も十分。このまま水も漏らさぬ構えで独走Vへ突き進むつもりのようだ。