阪神が7日の広島戦(甲子園)に1―0で辛勝。先発の高橋遥が8回4安打無失点の快投で広島打線を抑え込み、広島相手に同一カード3連勝を決め貯金1とした。

 矢野監督は「高橋遥は後半戦も期待できる投手。(3連勝と波に乗り)いい形で巨人との対決に臨むことができる」と語り、球宴前最後のカードとなる8日からの巨人戦に腕をぶしたが、球宴後に再開される今年の夏の戦いはチーム内の競争がより激化しそうな雰囲気だ。

 阪神はこの日、ヤンハービス・ソラーテ内野手(32=前マーリンズ3A)と選手契約を締結したことを発表。年俸5000万円(推定)の単年契約で背番号は42を予定。諸手続きを終えた後、今月20日前後に来日する見込みだ。ソラーテは昨季までメジャーで5年連続2桁本塁打を放った両打ちの強打者。内野全ポジションと左翼も守れるユーティリティープレーヤーとあって矢野監督も「得点能力(の強化)と競争という意味でいい契約をしてもらった」と大いに期待を寄せている。

 NPBで規定されている外国人選手の一軍登録枠は4。阪神は現在、日本人扱いのメッセンジャーを除き、ドリス、ジョンソン、マルテ、ガルシアで4枠を使っており、ソラーテを一軍で起用することになれば「誰か必ず一人は落とさなければいけないことになる。まずは(チーム合流後)ソラーテの実力を見極めてからになるが、矢野監督は相当悩んでいると思う」(阪神首脳陣)。

 打率2割6分8厘、7本塁打と獲得当初に期待された得点力を発揮できていないマルテや、2勝3敗、防御率6・15と低空飛行の続くガルシアが“当落線上”に立たされることになる。また、仮にソラーテを左翼で起用するならば抹消中の福留の代役として着実に復調途上にいる高山や、新人王候補の近本らも安穏としていられなくなってくる。

 前出の阪神首脳陣は「勝負どころの9月にもなれば、できればメンバーは固定して戦いたい。だからこそ、この夏のチーム内競争はより激しくなると思う」。

 確実に高まりつつあるチーム内競争の激しさを、ペナントレースを戦い抜くチーム力に昇華させることができるか注目だ。