中日からオリックスに移籍したスティーブン・モヤ外野手(27)がド派手デビューを飾った。3日のロッテ戦(京セラドーム)に「6番・一塁」でスタメン出場すると、2回の第1打席で右中間スタンド最上段に1号アーチを叩き込んだ。「来たボールをしっかりと見て打つことができた。移籍して初めての打席で本塁打を打ててうれしいよ」(モヤ)。長打力、脚力もあり、内外野をこなせる即戦力として獲得に成功。この日に入団会見を終えると出場選手登録され、初打席で結果を出した。

 攻撃力アップの起爆剤として大きな期待がかかるモヤだが、心強いのは中日の前監督で現シニアディレクターの森繁和氏の“お墨付き”があることだ。中南米に太いパイプを持つ森氏は、毎年オフにドミニカ共和国のウインターリーグを視察。そこで選手を見極め、ビシエド、アルモンテ、ゲレーロ(巨人)、ブランコら優良助っ人を獲得してきた。

 ドミニカ共和国国籍のモヤも2017年オフに獲得。外国人枠の問題で一軍出場は多くないとはいえ、オリックスのフロント関係者は「森さんの眼力はすごいとしか言いようがない。どの球団も渉外担当が現地で2A、3Aの選手を見続けて獲得するけど、森さんはオフにドミニカ共和国のウインターリーグを見るだけで決める。ワールドシリーズ後にFAになる選手の多くはどこに行くかは決まっているし、残っている選手はわずか。その少ない期間と確率の中で日本で活躍する選手を見極めるんだから…」とみている。

 この日の試合は先発・荒西の炎上で6―12と完敗となったが、森氏の“千里眼”による助っ人が最下位チームの救世主となれるか。