大した役者だ。ヤクルト・村上宗隆内野手(19)が3日の広島戦で節目の今季20号をプロ初の満塁本塁打で飾った。高卒2年目以内でのシーズン20本塁打は1994年の松井秀喜(巨人)以来、史上5人目の快挙。ちなみに松井の20号到達はプロ2年目の130試合目だったのに対し、村上は同じ2年目でも78試合目と「ゴジラ」を上回るハイペースでアーチを量産している。

 グランドスラムが飛び出したのは2―0の5回二死満塁の場面だ。村上は制球難のローレンスが投じたやや甘く入った内角球を一閃。8戦ぶりの一発を真っ赤に染まった右翼席に放り込み「打ててよかった」と笑顔を見せた。「調子が悪い」と自覚し、前夜から宿舎でトップの位置、左肩の使い方、始動のタイミングなど細部のチェックポイントを確認した。初回の先制適時打と合わせ、計5打点。今季の61打点は2位のDeNA・ソトに8差のリーグトップだ。

 同じ左打者で背番号も55と共通点の多い松井氏は、村上にとって憧れの存在で「ニュースでいつも見ていた。東京ドームの看板に本塁打をぶち当てたシーンは記憶に残っている」という。バレンティン不在で4番を7戦連続で任されている若武者は「まだまだ肩を並べるほどの実力ではない」と謙遜しつつ「これからも頑張りたい」と目を輝かせた。