巨人が原辰徳監督(60)の執念のタクトで、3日の中日戦(東京ドーム)に7―6とサヨナラ勝ちした。

 序盤から追い越し追いつかれる展開。1点リードの9回も、守護神・中川が先頭・木下に同点弾を食らうなど最後までもつれたが、9回無死二塁から増田大の犠打と内野の失策が絡み、二塁走者・若林が生還した。

 原監督は3回一死満塁で、先発・桜井に代打・中島を送ったところから攻めの用兵へシフトチェンジ。気がつけば最終回にベンチに残っていた野手は立岡のみという総動員ぶり。まさに“攻めダルマ”でもぎ取った勝利だった。

 熱戦直後とあって、会見場に現れた指揮官の顔は真っ赤。「何て言うんでしょうね…。一発横っツラ引っぱたかれてないと、なかなか点数が入らないようなね。なかなか先攻というか、こちらから仕掛けるという部分で、あまりうまくいかなかったんですけどね。まあしかし、攻撃性というものはね、良かったと思いますね」と振り返った。

“赤鬼”と化した原監督の徹底した攻めの采配が、ナインの粘り強さを引き出したような試合。「ただの1勝ではないような気がするが」の問いに「1勝は1勝です」とニヤリ。これで2位・広島とのゲーム差を5に広げた。