広島・小園の二軍落ちに「ちょっと待った」

2019年07月02日 16時30分

二軍降格が決まった小園

【赤坂英一 赤ペン!!】交流戦終盤、6月20日のロッテ戦(マツダ)からデビューした広島のドラフト1位新人・小園。初打席初安打を打ったまではよかったが、エラーの多さが批判されている。

 3日連続でスタメンでショートを守るも、3試合連続の4失策。正面のゴロをファンブルしたりトンネルしたり、楽々アウトのタイミングで一塁へ悪送球したり、凡ミスがことごとく失点に絡んだ。1日に一軍登録を抹消。「二軍でやり直してこい」と言われるのも仕方ないところだが、ちょっと待った、だ。

 そもそも、広島のショートは非常にエラーが多い。過去の主力の大半が、2度以上のシーズンで「リーグ最多失策」を記録しているほど。現在のレギュラー田中広も、ショートに定着した2015年から3年連続で失策王となっている。

 その前の正遊撃手・梵英心(現社会人エイジェック)も5シーズンで2桁失策を記録し、うち2度がリーグ最多だった。なぜエラーが多いのか、梵に聞くと、こんな意外な答えが返ってきた。

「本拠地のマツダスタジアムでしっかり守るのは大変なんです。アマチュア(高校、大学、社会人)であんな天然芝の内野でプレーした経験がまるでなかったから。カープに入ってからも、最初のうち(06~08年)は(旧広島市民球場の)土の内野で守っていたでしょう。(09年に移転した)マツダでは球足の速さやバウンドがまったく変わりましたから」

 そして「マツダで1年プレーして、エラーが1桁だったら、それだけですごい成績だと思いますよ」と言い切った。

 今の小園も、高校時代までは天然芝で守ったことはめったになかったはず。一軍デビュー戦で硬くなり、慎重にいこうとし過ぎたことがミスにつながったのだろう。

 ちなみに、前本拠地のショートの先輩たちもエラーが多かった。野村謙二郎は1990~99年に10年連続2桁失策を記録し、うち91~93年の3年連続でリーグ失策王となっている。

 上には上がいて(?)、さらに先輩の高橋慶彦は78~89年に12年連続2桁失策して、うち4度がリーグ最多。その慶彦さんは、一世を風靡したスターになれた要因を、このように語っていた。「オレがいくらエラーしても、ずっと我慢して使ってくれた古葉(竹識)監督のおかげだよ」

 小園も将来、エラーを笑って振り返れるようになってほしいものだ。

 ☆あかさか・えいいち 1963年、広島県出身。法政大卒。毎週金曜朝8時、TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」出演中。「最後のクジラ 大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生」(講談社)などノンフィクション増補改訂版が電子書籍で発売中。「失われた甲子園 記憶をなくしたエースと1989年の球児たち」(同)が第15回新潮ドキュメント賞ノミネート。ほかに「すごい!広島カープ」(PHP文庫)など。最新刊は構成を務めた達川光男氏の著書「広島力」(講談社)。日本文藝家協会会員。