日本生命セ・パ交流戦MVP(賞金200万円)が26日発表され、ソフトバンクの松田宣浩内野手(36)が初選出された。打率3割4分8厘(6位)、7本塁打(2位タイ)、14打点(3位タイ)をマークしてチームの8度目の交流戦Vに大きく貢献。ヤフオクドームで行われた会見では「こういうMVPという賞を取ったことがないので素直にうれしい」と、おなじみの熱男ポーズを披露して喜んだ。

 そんな松田宣は交流戦明け初の全体練習のこの日、誰よりも緊張感を漂わせた。投内連係では細かなミスに珍しく激しい口調でゲキを飛ばすなどピリピリムードを演出。練習後、その姿勢を本人に確認すると「ここから本当のパの戦いが始まるんでね。僕は球宴までの前半戦残り12試合が(ペナントの)鍵を握ると考えてるんですよ。この12試合を死に物狂いで戦って(シーズン順位を)決めてやるくらいの気持ちでいかないと遅いと思ってるんで。今日はいい雰囲気で練習ができて良かったです」と、いつになく表情を引き締めた。

 長年、常勝軍団の中心にいる男なりの危機感だったのかもしれない。チームはこれまで、交流戦制覇の勢いをそのままリーグ戦に生かし切れなかった過去がある。特に顕著だったのは2013年で、交流戦後から球宴まで7勝15敗と大きく負け越して前半戦を終えた苦い経験がある。

 交流戦を制しても7回中4回はリーグVにつなげられていない。現在、ソフトバンクはゲーム差なしの首位ながら「混パ」は全チームが7ゲームの中にひしめいている状況。「『後半戦からいくぞ』では遅い。この12試合の差が最後に出る」と、酸いも甘いもかみ分ける男なりの半歩先んじる重要性を姿勢で示した形だ。

「勝負の12番」もマッチが大暴れする。