ソフトバンク・千賀を強くした胸骨投法

2019年06月22日 13時00分

胸骨を突き出すフォームで投げる千賀

 ソフトバンクは21日の巨人戦(東京ドーム)に8―3で逆転勝ち。鷹のエース・千賀滉大(26)は苦しみながらも巨人相手に7勝目を挙げた。11奪三振ながら6回で132球を要して2失点。「バランスが悪くて球数が多くなり、リズムの悪い投球になってしまった」。試合後は反省の弁を並べつつも「試合を壊さずに何とかいけた」ことには胸を張った。

 今年の千賀はいろんな意味で強い。この日のような大事な試合での勝負強さ、161キロを計測した直球の威力、昨年から7キロ増量した肉体…。それらに加えて本人が強調するのは技術面の進化で「今年から投球フォームを変えたことで、球の力も球質も良くなった。そして何より肩とヒジへの負担が減ったことが一番大きい」と言う。

 フォーム変更を決断したのは昨年12月。「日本人特有のヒジを使って投げようとする投げ方は負担が大きいし、故障のリスクも大きい。だから胸骨で投げるイメージのフォームに変えた」。先発転向後、ヒジ周辺や背中の故障などで離脱することの多かった千賀にとっては一大決心だった。

「胴で回って投げる。腕は後からついてくるような投げ方」と説明する新フォームは「日本人なら則本さん。メジャーならデグロムやビューラー」とお手本がいる。盟友の楽天・則本昂とはLINEを通じて動画や画像を送り合いながら意見を交わしている。「理想に近い」という昨季のサイ・ヤング賞右腕・デグロム(メッツ)やビューラー(ドジャース)のフォームは動画を見て研究を続けている。完成度は「彼らの足元にも及ばない」と言いつつも「取り組んでいることが球質にも成績にも表れ始めている」と手応えを感じている。

 今季は13試合に先発してクオリティースタート(6回以上、自責点3以下)はリーグ最多12回。12球団ダントツの123奪三振で、投球回92もリーグトップだ。今季は全試合で6イニング以上を投げており、球数が100球を下回ったのは一度だけ。最多143球を投じた試合もあるが、一度も先発枠を外れることなくコンスタントに結果を残している。

「肉体改造で出力が上がった分、どうしても故障リスクは増えるが、そういう中でこれだけ投げられているのは今のフォームのおかげ」。強さを増した右腕は実績で進化を証明している。