阪神が18日の楽天戦(倉敷)に3―5と敗れ、引き分けを挟んで今季3度目の4連敗。先発のメッセンジャーが7回3失点も、救援陣が3―3の8回に2点を勝ち越された。最大6あった貯金も気がつけば2まで減ってしまった。
昨年同様「鬼門」の交流戦で試練を迎えているが、矢野燿大監督(50)にとってこの日の倉敷での楽天戦は思い入れが違った。倉敷は阪神、楽天で監督を務めた星野仙一氏の故郷で、星野氏が2018年1月に死去してから初の公式戦開催だった。
矢野監督は「岡山は熱い声援を送ってくれる地域。勝てなくて申し訳なかった」と謝罪した後、星野氏について「ずっと楽天との日本シリーズを、と言われてたんで、ここに来たら思い出す。天国でも楽天も阪神も応援してくれていると思う。(日本シリーズ実現が)近い将来になるよう頑張っている。いい報告をしたい、と岡山に来ると思い出す」と改めて日本シリーズ進出を誓った。
そんな指揮官を後押しする声は多い。この日は倉敷市にある「星野仙一記念館」の延原敏朗館長が両球団ベンチを訪問。同館長は星野氏最大のブレーンの一人で「矢野はすごい。星野に育ててもらった環境をバックボーンに置きながら、現代的な今の野球に咀嚼(そしゃく)してやっている。ベンチワークがとてもいい。星野が生きていたらそりゃ、喜んでいる。両チームとも星野の監督采配を引き継いでいる。クライマックスは両チームとも入るだろう」と分析したほど。阪神の球団営業部でも「今回の対戦を日本シリーズのプレ前哨戦と思いたいぐらい。ウチも楽天さんも星野さんを忘れるわけがない。互いに勝って盛り上がれば…」という声が噴出した。
目下、楽天はパ・リーグ首位をキープ。阪神も同じく3位&貯金生活を送ることはできている。ここからどうなるのか。天国にいる闘将のためにも…と頑張るしかない。