ふるい落とされるのは誰か――。右ヒジの違和感などで離脱している巨人の元守護神、ライアン・クック(31)の近日中の一軍復帰が確実になった。それに伴って現在、一軍に登録されている4人の助っ人たちのサバイバルレースがスタート。2位につける交流戦の優勝争いだけではなく、チーム内の戦いからも目が離せない。

 宮本投手総合コーチは「ようやく戻ってきますよ」と助っ人右腕復帰のメドが立ったことに目を細めた。クックは開幕から順調に6セーブを積み重ねたが、4月23日に右ヒジの違和感で登録抹消。当初は最短10日間での復帰も示唆されたが、リハビリ中に左太もも裏を痛めて長期離脱になった。

 そのクックは16日のイースタン・西武戦で1回パーフェクトの好投。2戦で防御率0・00と順調で、18~20日のイースタン仙台遠征に同行した後、一軍に昇格する見込みだ。

 宮本コーチは「一軍に戻ってきたからといって、すぐにクックを守護神には戻さない。自分の力で今の地位を築いた中川のほうが立場は上。8回にはマシソンもいる。まずは7回とかで実績をつくってもらう」とクックの起用法について言及する一方で、防御率1・44、7セーブをマークして不動のクローザーとして活躍する中川に敬意を払った。

 復帰即、守護神こそないものの、近日中のクックの昇格は既定路線。現在、一軍には先発メルセデス、中継ぎマシソン、野手ではゲレーロ、ビヤヌエバと外国人枠いっぱいの4人が登録されており、そのうち一人に二軍行きが告げられる。

 とはいえ、一人だけ別格なのは、宮本コーチの信頼も厚く、今月6日の復帰登板後、4戦で防御率0・00を誇る“8回の男”マシソン。安定度抜群の右腕を落とす選択肢はなく、残る3人は、ほぼ横一線の状態だ。

 左腕メルセデスは防御率3・57、5勝3敗の成績も、ここ3戦は2回途中でKOされた後、2戦連続で6回無死から走者をためて途中降板と不振から抜け出せていない。次回の登板で再びふがいない投球を見せれば、リフレッシュのための二軍落ちの可能性は十分にある。

 野手の両助っ人は確実性の低さから現在、スタメン落ちが急増。打率2割1分3厘、8本塁打のゲレーロは4戦連続スタメン落ち。打率2割2分6厘、7本塁打のビヤヌエバも2戦連続で外れている。両者を比べれば1日の中日戦で同点満塁弾、4日の楽天戦で逆転2ランの殊勲打を放ったビヤヌエバが三塁守備での堅実さもあり、やや有利だ。

 尻に火がついた助っ人たちが奮起すればするほど、巨人の勝利の可能性は高まるが…。原監督の決断が注目される。