オリックスにも意地があった。注目の“関西ダービー”を逆転勝ちで制し、同点に追いついた8回二死二、三塁から決勝の2点三塁打を放った西野は「事を起こすじゃないけど、何とかバットに当てようと思った。今日の一打がでかいです」としてやったりだ。

 いまだパ・リーグ最下位ながら、チーム内からは矢野阪神を“冷笑”するかのような声が出ている。今季の阪神は矢野監督が先頭に立ってチームを盛り上げ、ベンチのお祭りムードを演出。自ら派手なガッツポーズを連発し、サヨナラ勝ちでもすればナインと一緒になって大騒ぎしている。そんな雰囲気が勢いにもつながっているが、オリックスから見れば印象が違うようだ。

 ナインは「向こうは上位にいるし、選手間でああいう空気がつくれればいいと思う」と認める一方で「どのチームにもカラーがあるし、あまり気にすることではない。ウチはウチの特徴があるし、考えること自体が論外って感じ」とも…。さらにチーム関係者は「矢野監督が意識してやっているんだろうし、選手間で自然発生的なものかどうかはわからない。監督の派手なアクションも勝っている時はいいけど、負けが込んできたら浮いてしまうんじゃないか。“何をやっているんだ”ってなる。負けても続けていけるのかな。ウチの西村監督があんなことやったらみんなビックリするし、あれをマネする必要はない」とキッパリだ。

 今季のオリックスは首脳陣も選手もおとなしめ。点が入ってもさほど大騒ぎにならず、クールに戦況を見つめる。どちらがいいとは言えないが、少なくとも阪神は貯金生活、オリックスは借金10だけにもう少し明るくしてもいいかも…。