本領発揮だ。西武・中村剛也内野手(35)が14日のヤクルト戦(メットライフドーム)で9号満塁弾を放ち、自身の持つ満塁本塁打のプロ野球記録を18本に更新した。

 7―1の4回一死満塁で迎えた第3打席。ブキャナンの真ん中高め、甘く入った直球を叩いた瞬間に球場全体が確信する弾道が左中間へ飛んでいった。「打ったのは真っすぐ。やっといい打撃ができました」と自画自賛の一撃は5月10日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来となる今季2本目のグランドスラムとなった。

 中村の通算本塁打は394本。通算868本塁打を誇る世界のホームラン王、王貞治(巨人=15本)の半数に満たない本塁打数ながら満塁弾では3本上回っている。

 今季、中村に巡ってきた満塁のチャンスは14回(5安打、2本塁打、17打点)で山川の11回よりも多い。本人は「(満塁は)しんどい。好きじゃない。今日みたいに押せ押せの時はいいけど、緊迫した場面で打たなきゃいけない時はしんどい。苦手です」と言うが、どこまでも満塁に愛されているようだ。

 ちなみに、メジャーの満塁弾記録に照らし合わせると、18本はロビン・ベンチュラらに並ぶ歴代5位タイ。トップはアレックス・ロドリゲスの25本となっている。