育成契約から10日に支配下登録されたばかりの加藤脩平外野手(20)が13日、出場選手登録され、7回に阿部の代走としてプロ初出場した。指揮官は「(代走時に)出てくるのが遅いからやめようかと思ったよ」と冗談めかしたが、わずか3日での“スピード昇格”にはチーム事情も絡んでいたようだ。

 もともと育成制度を維持するため、7月末までに64人だった支配下選手を65人にする必要もあったが、まず外野手の補充に着手したのは深刻な高齢化が挙げられる。この日は「1番・左翼」で先発出場し、二盗も決めた36歳の亀井を筆頭にベテラン勢は開幕からフル稼働状態。32歳の陽岱鋼も一時期に比べて肩の衰えを指摘する声もある。一方の重信や石川ら若手勢もレギュラーの座をうかがうほどの結果を残せていない。

 昨オフには橋本到を金銭トレードで楽天に放出し、広島にFAの人的補償で長野獲得を許す“誤算”があった。ドラフトでも外れ1位で指名した辰己(楽天)は他球団と重複してくじ運に見放され、新人6人のうち外野手はゼロ。丸のFA加入があったとはいえ、層の薄さは否めない。

 デビュー戦で若林の左前適時打で二塁から生還した加藤は「一本でかえってくるつもりでリードを取っていました」と初々しい笑みを浮かべた。かかる期待は大きい。