中日・京田陽太内野手(25)が12日のオリックス戦(京セラ)で決勝打を含む2安打1打点と活躍し、低迷するチームに交流戦初のカード勝ち越しをもたらした。

 同点の8回一死満塁の好機で京田のバットが試合を決めた。2球ファウルで追い込まれながら、3球目の高めのフォークに反応し、左前へ。「ずっと足を引っ張ってばかりで、何とか食らいついていった結果がいいところに飛んでくれた。これを毎日続けていけるように頑張りたい」とV打となる5試合ぶりの安打に笑顔を見せた。

 復調の裏には「天才的な打撃」と称される西武・秋山翔吾外野手(31)の“考え”がある。スランプに陥った京田はテレビ朝日系「GET SPORTS」で秋山を特集した「最強ヒットメーカーの飽くなき探求心」を視聴。「秋山さんは『2ストライクから芯で打とうなんておこがましい』『追い込まれたらレフト前に打つイメージ』と言っていた。プロ野球を代表する打者でさえ、そういう意識でやっているんだとすごく参考になった」という。

 2ストライクに追い込まれてからの打撃が課題とされてきた京田は「それを今までいろんな人に指摘されてきたけど、ああこういうことかと思った」と目からうろこが落ちたという。

 与田監督も「2ストライクから粘り強くいった。チャンスをチャンスとして攻めていく、ピンチとして凡打にならないようにというものが出てきた」と最敬礼。天才・秋山の思考を取り入れ「自分なりに考えて打席に入れている」という京田の今後が楽しみだ。