中日が11日のオリックス戦(京セラ)に2―1で競り勝ち、3連敗を阻止。交流戦2勝目を挙げた。

 勝ち負けこそつかなかったが、今後も先発ローテの一角として大いに期待されるのは5回2/3を3安打1失点の好投を見せた阿知羅拓馬(26)だ。1点リードの6回二死一、三塁で降板後、2番手・谷元が押し出しを含む2四球を与えて同点に追いつかれてしまい、阿知羅のプロ2勝目はお預けとなった。

 6年目右腕は「あそこは6回、7回と投げ切らないといけなかった」と猛省しながらも「今日はフォークをしっかり低めに投げることや、内角要求の球を厳しく投げるとか一球一球を意識して投げることができた」と手応えも感じ取った。

 今季から高々と振りかぶったワインドアップを披露するが、かつての竜のエース右腕・川上憲伸をほうふつとさせる。それもそのはず、阿知羅は登板前夜には必ずユーチューブの動画でその投球を繰り返しチェックするという。

「川上さんの投球はカッコいいですからね。僕が高校時代からの憧れで尊敬している方です。その川上さんと(2014、15年の)2年間、一緒にやらせてもらえたことは励みにもなっている。いろんな投手の動画を見るけど、自分のイメージしている球の軌道が川上さんなので参考にしている。登板前夜だけでなくて今日は朝も見てきました」と目を輝かせる。

 投球スタイルが川上に似ていることについて阿知羅は「全然似ていないです。やめてください。川上さんをイメージはしていますけど、それはおこがましいです」。

 謙遜こそしているが、今季は“川上2世”の座を射止めるような躍進を見せたいところだ。