鯉のエースが北のスター候補生に胸を貸す。広島・大瀬良大地投手(27)が10日、先発登板が予定される12日の日本ハム2戦目へ向け、札幌市内で行われた投手練習に参加。対戦が予定される“ドラ1コンビ”吉田輝星投手(18)、清宮幸太郎内野手(20)との勝負へ静かに闘志をみなぎらせた。

 今月17日に28歳になるセ最多勝投手の次の相手は、昨夏の甲子園を沸かせた9学年下のルーキー。「僕もそういう年頃になってきたのかな」と年の差対決に苦笑した大瀬良だが、同じ投手として吉田輝の潜在能力は高く買っている。「素晴らしい真っすぐがある。投球術というか打者、走者との駆け引きだったり、野球脳の賢さは感じていました。いい投手だな、と思って見ていました」。ただプロ未勝利の後輩との投げ合いにムキになる立場ではない。「打席に立つわけでもないので特別意識はないですよ」とそこは笑って言い切った。

 一方で一昨年のドラフトを沸かせた清宮とは真っ向勝負を避けられない。「あれだけ柔らかい打撃をして一発も打てる」と警戒感を示すと、「前後にも素晴らしい打者が並んでいる。一人ひとり勝負していって、つなげさせないようにやっていければ」とハム打線封じのイメージを描いた。

 人気者との対戦で図らずも球界注目の一戦となったが、ここは赤ヘルエースの存在感を広く示せる場でもある。「(吉田輝、清宮の)対戦相手になるので嫌でもそういうふうに見られたりはするのかなと思いますし、僕も負けたくない」と強い言葉で結んだ大瀬良。“番狂わせ”は起こさせない。