さすがは球界を代表するエースだ。ソフトバンク・千賀滉大(26)が7日の広島戦(マツダ)で7回を3安打8奪三振、無失点の快投で6勝目を挙げた。チームは交流戦4連勝を飾り、パ・リーグの単独首位に返り咲いた。

 心身ともに飛躍的な成長を遂げ、自身が理想としていた姿にも確実に近づいてきている。WBCでブレークした2年前、千賀は究極の投球について「1人1球で27球(の完全試合)という人もいますが、僕は全部三振の方がいい」と話していた。なかでも理想は「ピンチの時にそれができればいい」というものだ。

 今季、それを象徴していたのが5勝目を挙げた5月18日の日本ハム戦(熊本)だろう。接戦の中で降雨による1時間の中断。再開直後、ぬかるむグラウンドと試合の流れを考慮し、狙って3者連続三振を奪った。千賀は「あれはマグレですけどね。マグレ!」と繰り返しつつも「ただ、そういう気持ちで投げて(三振を)取ることができた。狙ったことができるようになってきているのが数字に出ているのかもしれないです」と振り返っていた。

 この日も投球もまさにそう。初回二死二塁で4番・鈴木を155キロの直球で空振り三振。3回には一死二塁からバティスタ、鈴木を連続三振に仕留めた。千賀は「あの2人は打たせて取るという考えでは簡単にいかれてしまう。思いっきり抑えにいく気持ちでした」と狙って奪った三振であったことをうかがわせた。

 ここまで6勝1敗。防御率1・46と105奪三振はリーグトップだ。球団では2006年の斉藤和巳以来となるの投手4冠も夢ではない。