中日で“疑惑の判定”を巡る問題が泥沼化の様相を呈している。7日、与田剛監督(53)は前日のソフトバンク戦(ヤクオク)で大島の“幻のランニングホームラン”となった判定について、改めてセーフだったとの見解を示した。

 問題のプレーは8回に右翼フェンス直撃の大飛球を放った大島が本塁クロスプレーでアウトになり、与田監督がリクエストを要求。大島の手が捕手・高谷のタッチをかいくぐったように見える映像が流れたが、審判団は判定を覆すための100%確証のある映像が見つからなかったとして判定は覆らなかった。

 コーチ陣が怒声を上げる中、与田監督は腕組みしたまま冷静だったが、試合後に映像を何度も確認し「僕が気になったのはタッチの時にミットの中にボールがなかったと思うこと。そういう部分ではセーフだと思う気持ちには変わりはない」と主張。周囲やSNS、ネット上などでもセーフの意見が大多数で「その誤差はどこから生まれるのかなあと思う」と首をかしげる。

 この件で加藤球団代表はセ・リーグ統括に連絡を取ったが「リプレー検証で裁定されたことへの意見書、質問書は受けられない、と返答された」としてNPBへの意見書、質問書の提出は断念。それでも「理事会の議題に挙げることも検討するが、まずはもう一度、映像を見てもらい、審判団から球団としてきちんと説明を受けたい」と、今後もNPBに呼び掛けていく方針でいる。

 しかし、こうした動きに反対の声も。ある中日OBは「これ以上、何をしたところで判定が覆ったり、勝敗が変わるじゃない。ずっとこのままゴタゴタしていてはチームの士気にもかかわるし、こんなことで目立ってしまっているようではダメ。強いチームほど野球のことだけに専念しているし、ウチも早くそうならないと」と指摘する。中日が“疑惑の判定”の呪縛から解き放たれるのはいつになるのか。