今や“セ界の要”だ。オールスター戦のファン投票、セ・リーグの捕手部門で2位の巨人・小林にダブルスコアの差をつけてトップを走っているのが阪神・梅野隆太郎(27)。28日現在の2万5802票はリーグ全体でも首位打者争いをしている巨人・坂本勇と広島・鈴木、DeNAの守護神・山崎に次ぐ4位で、阪神勢では得票数トップだ。

 2017年の球宴初出場の際は「『まさか自分が』という気持ちであたふたしてしまった」。今年は7月13日の第2戦が甲子園で開催されることもあり「今回選出してもらえるなら、次はしっかりしたプレーを見せられれば」との思いも強い。

 今季は4月2日の巨人戦で左足薬指を骨折したものの、わずか2試合の欠場でスタメン復帰。バットはリーグ5位の打率3割2分、3本塁打、23打点と好調だ。定評の高いリードに加え、リーグ2位の盗塁阻止率(4割)を誇る“梅バズーカ”で攻守にわたりチームをけん引している。それでも首脳陣は満足するどころか、さらなる目標を課す。

 藤井バッテリーコーチは「体もしんどいだろうが楽しそうにやってくれている。責任感も感じられるようになってきた」と評した上で「まだ侍に選ばれたことないだろ。日本中の誰からも『梅野こそ日本代表の捕手だ』と認められるような選手に育ってほしい」と大きな期待を寄せる。

 梅野自身も将来的な侍入りに「現時点で大きなことは言えませんが、日本を代表するような捕手になれれば。そのために努力していきたい」と意欲を示す。

 虎の女房から球界を代表する捕手へ――。背番号44の背中から風格が漂い始めてきた。