G助っ人戦線に異状あり――。開幕当初5人で4つの外国人枠をフル稼働させていた原巨人の外国人枠が、ここにきて1つ余った。実際には昇格させる外国人選手を選べないためで、開幕前の“外国人天国”は今や昔。首位から陥落したチーム同様、開幕当初の勢いに陰りが見えてきている。

 28日の阪神戦(甲子園)が雨天中止となると、原辰徳監督(60)は「すべてをプラスに捉えることが大切」とニッコリ。エース菅野が腰の違和感により離脱中で、5人の先発で回していた巨人にとっては恵みの雨となった。

 そんななか現在のGナインの間で話題となっているのが“第4の男”だ。2戦連続で失点した右腕アダメスが27日に登録を抹消され、一軍の助っ人は先発のヤングマン、メルセデスに野手のゲレーロの3人となった。

 キャンプ中からG外国人枠争いは注目を集めた。前出の3選手に加え、総額3億円超で獲得したメジャー20発男・ビヤヌエバ、守護神クックが枠を争い、開幕直後は先発登板後の抹消で5人で4枠をフル稼働。開幕ダッシュの原動力となり、原監督も「うれしい悩み」と歓迎していた。

 指揮官の構想が狂ったのは4月23日のクックの離脱から。6セーブを挙げた守護神が右ヒジの違和感で抹消となり、現在も実戦復帰のめどは立っていない。

 野手での誤算はやはり今月6日にゲレーロと同時降格となったビヤヌエバ。イースタン・リーグでは遠征にも同行し「3番・DH」として連日3打席を消化するも、28日時点で打率1割8分8厘、2本塁打と低迷。付きっ切りで指導する内田巡回打撃コーチも「フォームどうこうではなく気持ちの問題。時間はあるのでしっかりと調子を戻したい」と時間が必要だという。

 野手では16日に抹消されたマルティネスが両打ちから左打ちに専念しているが「課題は一軍レベルの投手の内角高めの直球。技術的な問題」(内田コーチ)とこちらも決定力に欠けている。

 そんな状況下、ここにきて一軍昇格が待望されているのが、左ヒザ手術からエーリキア感染症にかかり3月まで来日が遅れた右腕マシソン。中継ぎに不安のある一軍首脳陣からすればノドから手が出るほど心待ちにしているマシソンだが、三沢ファーム投手コーチは「キャンプでの貯金がないので肩のスタミナを含めてしっかりと見極めたい」と慎重な姿勢を崩していない。

 大穴として24日に一軍練習に参加し、驚異の飛距離を見せた育成1年目、ドミニカ共和国の大砲・モタの支配下昇格即一軍も可能性としてはあるものの「真っすぐは打てるけど変化球への対応に時間がかかる」(高田二軍監督)と時期尚早だという。

 本命はマシソンの完全復調ながら、それまでに枠を埋める選手は見当たらない。来月4日には交流戦を控えており、助っ人の活躍は不可欠。指揮官が枠に悩むほどの助っ人好調期が、再びジャイアンツに訪れるか。