この勢いで巨人も撃破できるか。阪神が前週のヤクルト、DeNAとの6連戦を5勝1敗の好成績で乗り切り、首位・広島と2・5ゲーム差の3位。開幕前の下馬評の低さを覆す健闘を披露していることもあって、ベンチのムードはとにかく明るい。

 そんな矢野阪神を象徴するような新たな恒例儀式が、今季から清水ヘッドの提案で導入された「矢野ガッツ」だ。安打や適時打を放った塁上の選手とベンチのナイン全員が拳を突き上げ、ガッツポーズで祝福し合うこのパフォーマンスは今やすっかりチーム内に定着。26日のDeNA戦で若手野手の植田が今季初安打を放った際には矢野監督も満面の笑みでベンチから両手を突き上げ、喜びを分かち合った。

 これに目をつけた営業サイドも「矢野ガッツ」のグッズ展開に着手。Tシャツやタオルなどの販売を検討中とのことで「矢野さんはグッズ販売やイベント出演にも積極的。柔軟で融通の利く方ですので大変助かっています」と新指揮官に感謝の言葉を惜しまない。

 喜んでいるのはチームスタッフばかりではない。在阪テレビ関係者も「メディアを通じたファンとのコミュニケーションを重視する矢野監督はテレビ出演にも協力的。時には矢野監督から『こういう切り口で番組をつくっていけばどうか』など企画を逆提案してくれることもあるほどです。チームの好調もあり阪神戦の視聴率も上昇傾向ですし本当に助かっています」。

 28日からは宿敵巨人との3連戦に突入するが「俺が一番楽しまんと選手も楽しめない。もっともっとガッツポーズをしまくって、それでファンの皆さんも喜んでくれるなら俺もうれしい」と指揮官も「矢野ガッツ」連発からの宿敵打倒に意欲満々。就任当初から「タイガースファンを喜ばせたい」とのポリシーをブレずに貫く新生矢野阪神の快進撃がどこまで続くか注目だ。