日本ハムの清宮幸太郎内野手(20)が、26日の西武戦(メットライフ)に「7番・DH」で先発出場。1点ビハインドの7回二死一、三塁の場面で中前へ同点打を放ち、チームの6―5の勝利に貢献した。

 この日は5打数2安打1打点で、打率は2割5分に。試合後は「まだまだ振れてないので、これからも打っていって調子を上げられれば」と貪欲に話したが、右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折により約2か月半もの間実戦から離れていた期間を“けがの功名”にすることができたようだ。

 けが以前の清宮について和田トレーナーは「スイングなどの出力は高い一方で、変化球が来た際にヒザをついてしまったりと、下半身の体幹が圧倒的に弱かった」。その弱点を克服するため、リハビリ期間を利用した猛特訓が行われた。

 主なメニューは2つ。1つ目は、ピラティスなどで使われる「コアアライン」という器具を使ったもので、前後に可動する2枚のパネルに両足を乗せてスライドさせることにより股関節を鍛え、体幹のバランスを良くするトレーニング。2つ目は「レッドコード」というひも状の器具を用いたメニューで、天井につるしたロープに右脚を乗せた不安定な状態で、スイングへ入る動作を一定時間繰り返し行うことで、体幹を鍛えられるといったものとなっている。

 特に後者の難度は高く、和田トレーナーは「強度が高く、相当つらいトレーニングなんです。規定のメニューを消化できない人もいます」とまで。それでも「清宮は『つらいっす~』とか言いながらも、淡々とこなしてたんですよね。本当にすごいですよ」と、和田トレーナーも舌を巻いた。

 通常は長期的なスパンで行うトレーニングだが、清宮はけがによりバットが振れない期間が長かったため、その時間を利用して重点的にトレーニングを行うことに成功。和田トレーナーは「これまで以上のパフォーマンスを見ることができるはずなので、どれだけの成績を残してくれるのか今から楽しみですよ」と大きな期待感を口にした。

 過酷な体幹トレーニングを乗り越えた若き大砲。待ち望んだ一発が出る日も近い。