巨人 上原引退“遺産枠”65人目の男は誰だ

2019年05月24日 16時30分

東京ドームを訪れた上原

 巨人が23日のDeNA戦(東京ドーム)で乱打戦を制し、7―4で逃げ切った。この日は試合前に現役引退したばかりの上原浩治(44)があいさつに訪れた。異例とも言えるシーズン途中での幕引きで、支配下登録選手は64人に。育成制度を維持するには7月31日までに最低でも65人を登録することが原則で“上原遺産枠”を巡ってチーム全体が活気づいている。

 思い出の詰まった本拠地を訪れた上原は、試合前のミーティングで「皆さんには一日でも長くプレーしてほしい」などとメッセージを送った。かつて巨人でチームメートだったDeNA・ラミレス監督らにもあいさつ。静かに球場を後にした。

 復活を期した今季は二軍戦でも満足いく結果を残せず、選手生活にピリオドを打った。自らが退くことで若手にチャンスを与えることも引退理由の一つだった。真っ先にその恩恵にあずかるのは昇格機会をうかがう二軍の救援陣だろう。3月に支配下登録され、4月にプロ初マウンドを踏んだが、現在二軍調整中の坂本工は「自分のやるべきことをやって、上(一軍)に上がるだけじゃなく上で活躍できる準備をしたい」と意気込む。

 追い風は三軍で支配下登録を目指す育成選手にも吹いている。上原は20日に引退会見を行い、同日に「任意引退選手」として公示された。これにより、巨人の支配下選手は64人に。野球協約には育成制度を継続するための原則として、支配下登録期限となる7月31日までに65人以上を保有することが定められている。来年以降、球団が育成制度を放棄しない限り、期日までに新たな支配下選手を登録することが必要となった。

 育成選手にチャンスが広がった点について、井上三軍監督は「チャンスは最初からある」と強調しつつ「上原のコメントで『若手にチャンスを』とありましたが、一人でも多く支配下、一軍の戦力になれるように頑張ってほしい」とゲキを飛ばした。当の育成戦士たちも「上原さんの気持ちがうれしいです」と“男気引退”に感謝しきりで、2015年のドラフト3位で入団しながら度重なる故障に泣かされ、今季から育成契約となった与那原も「最終的には一軍。ケガをしていない誰よりもトレーニングしている自信はある。前と違った姿を見せられると思います」と鼻息は荒い。

 一方、球団では守護神として獲得したクックの故障離脱などもあり、クローザーもこなせる新助っ人を調査中だ。“65人目の男”に誰が名乗りを上げるのか。一軍への戦力供給源となるファームの士気が上がるだけでなく、競争もより激化しそうだ。