巨人・上原を名球会へ “師匠”工藤監督が猛プッシュ

2019年05月21日 16時30分

レンジャーズのアリゾナキャンプで工藤氏(左)と対面した上原(12年)

 100勝、100セーブ、100ホールドの「トリプル100」を達成してユニホームを脱いだ巨人・上原浩治投手(44)。球界内でその偉業をたたえる声は多い。昨年、名球会総会で会員の中から「トリプル100」を入会条件に含めるべきとの声が上がったのは、右腕の偉業を意識してのものだった。上原が師と仰ぐソフトバンク・工藤公康監督(56)も、愛弟子の残した足跡に敬意を表し「入会が認められるべき数字」と声を大にした。

 日米通算134勝、128セーブ、104ホールドをマークした上原に工藤監督は「すごいという言葉で表すのが申し訳ない。いろんなポジションで数字を残した投手。たいしたもんだと思います。本当にお疲れさまでした」とねぎらうと「メジャーで9年やって、世界一にもなった。もう『120点』の野球人生だったんじゃないでしょうか。彼には『長くやれよ』と言ってきて、44歳までやった。彼が下した決断を尊重したい」と、巨人時代に師弟関係を築いた右腕の引退を惜しんだ。

 工藤監督が現役の2000年に巨人にFA移籍すると、誰よりもすぐに弟子入りしたのが上原だった。上原がメジャーで、直球とスプリットの2球種で勝負したのも、巨人時代に工藤から「球種を増やすんじゃなくて、自分の持っているものを磨きなさい」という金言があったからだ。レッドソックスで世界一の胴上げ投手になり、メジャー屈指のセットアッパーに君臨したのは、工藤の薫陶を受けた影響が大きかった。

 NPB時代の先発完投型から、メジャーではリリーフのスペシャリストとして活躍し、メジャーでも過去に1人しかいない「トリプル100」を達成した上原。その偉業を工藤監督は現在の立場ゆえに、余計に「重みがある」と語る。

「監督をやっていて、投手に配置転換を伝えるのが一番心苦しいことなんだ。彼はそれを実績を残した後にチームのためにすべて受け入れてやった。その結果、前人未到の記録を打ち立てた。そこに敬意を表したいし、たたえられるべきだと僕は思う。(日本で)過去に誰もいない記録であり、僕はそういう意味で『トリプル100』の価値は極めて高いと考えている」

 昨年から名球会では上原の偉業を念頭に「トリプル100」を入会資格に新たに盛り込むかが本格的に検討されている。それは多くの世論あってのこと。最後に、工藤監督は名球会のレジェンドOBに敬意を表した上でこう言った。「僕は、ずっと『資格がある』という立場で考えている」。通算224勝左腕は一会員として後押しした。